Nov 28, 2010

一旦、さよなら入ります

ポスト @ 0:39:43 | その他

先週投稿しようと思っていたけれど、できなかった…。


さて、2年半(野球で言えば3シーズン)週1(というより月4)ペースで連載していたこのコラム、

一度ここで最終回となります。ありがとうございます。

といっても、どのくらいのどんな方がここを訪れてくださったのか、まったく知らないのですが…。


とにかくスポーツを「生」観戦して、その生の空気を伝えてみないか…ということを

gigaonoさんにお誘いいただき、しかも「生」以外はまったくの自由をいただいて始めました。

連載の前のシーズンまではとにかく野球の独立リーグ一辺倒だった私が

なんとこの企画を始めたあたりから急速に独立リーグに興味を失っていき、観戦数は激減。

こんなんでコラムが成り立つかなぁ…と不安もありましたが、

おかげでふだん見ないようなスポーツもたくさん観ることができてよかったと思います。

最後の最後に2年間も書こうと思い続けていた軟式野球の記事が書けたのはよかったです。


あと、本当に最後ですが…、9月?11月の「軟式野球」と「ろう者の野球」という2つのカテゴリーについて。

私は2つのことをいつも思っていました。

一つは、野球といえば硬式野球、それに対する軟式…、という書き方をしたくなかった、ということ。

「ろう者野球」でいえば、「耳が不自由なのに…」という書き方は絶対にしたくなかった、ということ。

もう一つは、そもそもそんなことをすっかり忘れて夢中になって熱戦を見ていたこと。

軟式野球は「【もう1つの】甲子園」ではなく、「軟式野球の全国大会」なのであり、

「ろう者なのにすごい」んじゃなくて、彼らは元から素晴らしいアスリートなのです。

それが分かってない、あるいは分かっていてもどうしてもそんな空気が出てしまう、

そんな文章をよく見ました。だから私も、見ている時には試合に没頭していても、

書く時にそんなイヤな比較だけはしないようにとだけ心がけていました。

それがどのくらい文章に反映されているのか、自分で評価は下せないけれど…。


今後は、このコラム自体が消滅するわけではないらしいのだけれど、

不定期には何か書いていこうと思う。ただ、その場合にここをお借りするのか、

別立てでどこかに書くのか、まだ何にも決めていません。

とにかく一旦、区切りということで「連載」は終了となります。

ご愛読ありがとうございました。

…などと書いている間にも、日本中、世界中で熱戦は続いているわけでして…。

Nov 14, 2010

グランドフィナーレ -軟式ボールを追って5(最終回)-

ポスト @ 23:07:44 | 野球(その他)

9月19日 12:45- atオロナミンC球場


【第44回全国ろうあ者体育大会in徳島 第56回野球競技・決勝】

神奈川県代表 5 - 2 東京都代表

【バッテリー】

神奈川県:勝又悠樹 - 加藤康志

  東京都:中島祐次 - 野呂義光

【ヒーロー】

勝又悠樹(神奈川県)…2失点連続完投!優勝の原動力だったのは間違いない。

しかし、2日間で3試合に登板。うち2つが炎天下での完投とは…。

恐るべし21歳(20歳かも)である。

【キラリ】

長谷川誠(東京都)…惜しくも敗戦の中猛打賞(実は今大会の首位打者)。

4回ではゲッツー崩れの拾ったチャンスを生かして同点タイムリー。

最終回は意地の出塁から反撃のホームを踏む。

中里裕也(神奈川県)…先制のランニングホームランが効いた。

守備でも走塁でも素晴らしい俊足を見せ、見事MVPに輝く。

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いよいよ決勝…なのだが、観戦する側としてはもう勘弁して欲しいほどの日射。

しかし、そんなことにはちいとも音を上げないのがエース勝又選手である。


ちょっとボールが荒れ気味ではあったが、1球1球力はあった。

先頭の野呂選手をフライで打ち取ると、まだ1人目なのにもうガッツポーズを見せる。

気合い入ってるなぁ…。

さらに2死で3番大島選手を三球三振で抑えると、飛び跳ねてベンチへ帰って行った。

先ほどの熱戦から1時間くらいしか経っていないのにどこからこんな力が…?


一方の中島選手もややボールが抜けながらも速球はかなりの威力があるとみえる。

初回いきなり連続でランナーを出し、強打者加藤選手を迎えるがバント。

正面に飛んだゴロを中島選手が素早く処理、なんと1→5→3のゲッツーにとった。

俊足揃いのランナーとバッターランナーを相手に素晴らしいプレーである。


ただ、やっぱりどちらのチームも2日間で4試合目ということもあってか、

ほんの少し体が重いようにも感じられた。

しかし、なんとしても優勝するんだ、という風な神奈川県代表と、

常に明るくがモットーなのかどうか知らないが(※)、点をとられようが打ち取られようが、

とにかくベンチが明るく騒がしい東京都代表と、

どちらも気力は充実しており、守備中では両チーム声の出し合いだった。


※試合後の表彰式でも3チーム中でここだけにぎやかだった。


先制点はあっけない。3回ウラ、やはり中島選手のストレートに苦しんでいた神奈川県代表、

ようやく9番中里選手で一巡する。追い込まれた中里選手は2-1からうまく流した。

この打球がかなりのびて前進守備気味だったレフトの頭を越えていった。

…何度も書いているように神奈川県代表は基本的に俊足がそろっている。

センターを守る中里選手はどちらかというとその代表格。

ものすごいピッチでもう2塁に到達したかと思うと迷わず3塁へ。

もう送球体勢は整いつつあったが、思い切って3塁も蹴った!

うそだろ…と思う内にあっという間にホームへ生還!貴重な先制点をもぎ取った。


追う東京都に次の回、アクシデントが発生する。

主砲・渡辺(謙太郎)選手が2球目だったと思うが自打球を顔に当ててしまい

そのまま退いてしまった。急きょ出場した飛山選手がショートゴロ。

ゲッツーか…と思ったが送球エラーが出てしまい崩れる。

そのチャンスを首位打者(←後で知った)長谷川選手が逃さず、レフト線へ長打を放つ。

1塁から一気にランナーが生還し同点!!

ミスはすぐにダメージが出てしまう、この試合もそんな空気が漂う。


神奈川県代表はそのウラ1死から、昨日このスタジアムでホームランを放った遠藤選手がヒット。

古川選手もヒットでまたチャンスを作ると、ワイルドピッチで再び勝ち越す。

勝ち越したと思ったら、1死23塁から勝又選手がセーフティスクイズをファールしてしまい、結局凡退。

2死を奪ったが中里選手が歩いて2死フルベースで藤田選手。

ここで中島選手もずっしり来るストレートを投げ込み追い込んで、結果サードゴロ。

何とか1点で終…らなかった。今度は東京都代表に送球エラーが出てさらに1点追加。

後を考えるとこの失点はとても重かった。


回を追ってもボールの威力が落ちない勝又選手は、

コントロールもそのままに、力でねじ伏せた。

時には甘いボールを拾われたりしながらも、バックの助けもあって後続は断っていった。

6回表、初回と全く同じ1番打者からの3者凡退だった。

3人目の大島選手ではストライクとボールが交互に来て、6球目スイングアウトにとると、

なんと1回転してガッツポーズ!!

ウラにダメ押しの1点が入って7回(最終回)のマウンドに向かった。

疲れもあって1点を奪われたものの、最後の打者佐藤選手に、

この日を象徴するかのようなフルカウントからのスイングアウト!


その瞬間若きエースはグラブを思い切りポーーーーンと空高く放り投げた。

東京都のほんわかした雰囲気に比べると、

どちらかといえばストイックな印象を受ける神奈川県代表(※)。

その張り詰めた緊張から解放されたかのようなグラブだった。


※代表の7?8割を占めるのが、強豪湘南ヤンキースのメンバー。

そのチーム自体が「ちゃんとした社会人」が勢揃いしているのだそうだ。

今大会でも最初の試合前、ノックでベンチの前にずらりと並ぶ時に、

岩田監督が「(いつもどおり)マナーはちゃんとするんだぞ」と念を押していた。

(…と手話で話していたらしい。通訳してもらった。)



試合後の表彰式では、なんと首都圏3チーム(神奈川、東京、千葉)が勢揃い。

しかし頂点に輝いた神奈川県代表は、その中でもひときわ威風堂々としていた。

ざわめいたのは最高殊勲選手賞(いわゆるMVP)と最優秀投手賞の発表である。

最優秀投手賞は文句なしで勝又選手、最高殊勲選手賞はなんと中里選手。

投手の方はどうだか知らないのだが、

MVPは多くの大会で加藤選手が受賞することが多かったのだそうで、

今回、一番若い勝又選手と2番目に若い中里選手が大きな賞を受賞する、

というのは神奈川県にまた新しい風が吹くいい機会となったのではないだろうか。

そして、首位打者はやはりミートが巧みだった東京都の長谷川選手。

敢闘賞は5失点でも素晴らしいボールを随所に見せた中島選手に贈られた。



わずか2日間の熱闘はここに幕を閉じた。

翌日も世間一般では祝日だったのだが、「明日のことより、今、このプレー」

とでもいうような選手のみなさんの真剣なまなざしは、

この2日間の太陽よりも鋭かった。

みなさんは自分のためにプレーしていらっしゃっただけとはいえ、

あえて「ありがとうございました」と私からは申し上げたい。

Nov 07, 2010

ただいまテレビ観戦中

ポスト @ 20:50:05 | 野球(その他)

ここのところ、生観戦に行っていない。

サッカーもおやすみ。プロ野球は行きたかったが日程・予算折り合わず断念。

バスケットも今季は行くかどうか分からない。


その代わりクライマックスシリーズと日本シリーズをテレビで堪能している。

マリーンズファンの私はギリギリで3位進出したこのチームをもちろん応援している。

気分だけ西武ドーム、心はYahoo!ドーム、魂はナゴヤドームと千葉マリンスタジアムである。


それにしても。

マリーンズが日本シリーズの進出を勝ち取った時、世間の人はどう思ったのだろう。

「インターネットの世間(ニュースのコメント)」では、やや好意的な意見が多かったかな?

いや、そうでもないかな?どうとも言えないくらいにまさに賛否両論だった。

ただ、さすがプロ野球ファンのみなさまである。


どこの球団も今シーズンはそのレギュレーションで戦うことを了承しているのだからいいじゃないか。

3位のチームが…といっても首位とあまりゲーム差はないのだからいいじゃないか。


といった意見も散見された。

ん?よくマリーンズの快進撃は「下克上」と呼ばれていて、

そういえば球団自体がそう呼んでいたような気もするが、

こういう意見もあるとなると、それほど「下克上」ということでもないようにも思うが…。


で、今シリーズ第7戦。マリーンズが4点のビハインドを追いついた所である。

ファンとしてはおもしろいシリーズなんだが…、

知人などは第6戦の延長戦はけっこうたいくつだったようだ。

その上、どうしても「名古屋と千葉だけが盛り上がっている」ようなところがあるようで、

そうなると「全国区で盛り上がるにはやっぱりGがTがHが…」などという話にもなるようだ。

しかし、エラーやバント失敗が目立つ試合が「凡戦」であるのはともかくとしても、後者の話に関しては

「プロ野球も地方へ!」という流れになってきている今(新潟にも行きかけたわけだし)、

仕方のないことではないだろうか。


とうとう今季は千葉に一度も行けないままのシーズンだったが、

それでも行った試合はどちらも勝ったし、どちらの試合も金選手がホームランを打った。

シリーズを生で見られないのは残念だが、がんばってテレビの前で応援しよう。

Oct 30, 2010

1点を追う(後) ―軟式ボールを追って4―

ポスト @ 23:14:13 | 野球(その他)

けっこう間を置いて…後編。(ごめんなさい)


しかし、機動力を使うのは千葉県もまた同じだった。

4回、2ベースで出た後藤選手が、なんとピッチャーゴロで3塁へ。

1死3塁で石井選手の打席。神奈川バッテリーは初球ウエスト。次がボール。

2ボールとなったところで、やはりスクイズを敢行!!

送球が少し高くセーフ。

5回は1死からエラーで出塁した池野選手が、次打者根岸選手の打席でスタートを切る。

サードゴロ。ランナーは進塁か…と思ったら、ファーストへ投げた瞬間、

猛然とサードへ向けて走る。これで2アウトながら3塁。

足で得たチャンスに、次打者の源(紘行)選手はバッターボックスで大きく吠える。

その気合いとともにレフト線へやや浅いフライが飛んで、これが執念のヒット!

とうとう千葉県が追いついた。


一方、千葉県のマウンド、藤原選手は中盤、打者に粘られても粘り返しで(?)、

球数は多くなっていたが、必死に追撃を防いでいた。


タイスコアで最終回。やっぱり7イニング制って早く感じるなぁ。

勝又選手はあっさり2アウトを奪ったが、4番池野選手にストレートのフォアボール。

打者は根岸選手…ん?さっきもこういう場面があったような。

2球目。また池野選手がスタート。根岸選手はバットを振る。

しかし、先ほどとは違い打球は右中間を真っ二つ!

リベンジに燃える神奈川県の心さえも真っ二つにしそうな長打で、とうとう試合をひっくり返した!!

が、勝又選手は真っ二つどころか、ちいとも心は折れていなかった。

またしても気合い十分だった源(紘)選手を渾身のストレートで打ち取り、最終回に望みをつないだ。


そのウラ、円陣が組まれた。…守備側の千葉県の話である。

マウンドに9人が集まるってあまり見たことがない。

さぁ最後!と気合いを入れたのだろう。

しかし、ここまで粘りを見せた藤原選手が疲れが見えたか、1死から加藤選手にフォアボール。

初球スチール。1死2塁でかなり警戒されているのに、2球目でまたスチール!!

失敗したら2死ランナーなしとなるところ。モーションを盗んでいたのか、よほどの自信があったとみえる。

打者は主砲岩田選手だが、当然スクイズを警戒。カウントも悪くなりフォアボール。

1回戦、広い球場でホームランを放った遠藤選手は気合い十分で打席に入ったがデッドボール。

気合いが暴発してかなり怒っていらっしゃった…。一触即発である。

たまらず、ピッチャーを軽部選手にスイッチ。


しかし…こんな場面で出るリリーフも大変だな。

いや、こんな場面で出るピンチヒッターも大変か。

神奈川県も打者を2回戦の殊勲、田巻選手にスイッチ。

カンタンに追い込まれながらも粘って7球目。ボール球だったが手が出てしまいピッチャーフライ。

2アウト。大チャンスだけど後がない。打線は下位に向かって古川選手。

1球目、ストライク。速っ。

2球目…まさかのワイルドピッチ!3塁から加藤選手がホームイン!

…と、2塁にいたはずの岩田選手までが3塁を蹴った!ボールは遠くに転がっていて、ホームに届かない!

悲鳴と歓喜でごった返すグラウンド。岩田選手がある意味「奇跡の生還(?)」を果たし、

両チーム足を使い、頭を使い、スキをつきまくる、息詰まる熱戦はあまりにもあっけない結末で終了した。


試合後はもともと交流もあるのか、お互いが健闘をたたえ合った。

とはいえ…健闘をたたえ合うにしても、神奈川県チームの喜びようは優勝したかのような、

ものすごいものがあった。この試合にかけていたのだからそれは当然か。


さて、たった2日間の日程で組まれているこの大会。

熱戦の果ての歓喜もそこそこに、神奈川県代表は会場を移動することになった。

一方、惜しくも敗れた千葉県代表は3位決定戦をこの灼熱の市営球場で行うことになる…。

Oct 24, 2010

1点を追う(前) ―軟式ボールを追って4―

ポスト @ 23:03:31 | 野球(その他)

9月19日 9:20- at鳴門市営球場


【第44回全国ろうあ者体育大会in徳島 第56回野球競技・準決勝】

神奈川県代表 4x - 3 千葉県代表

【バッテリー】

神奈川県:勝又悠樹 - 加藤康志

  千葉県:藤原洸樹、軽部浩士 - 山崎仁

【ヒーロー】

加藤康志(神奈川県)…ひいきなしで。ヒットこそ1本だが、先制スクイズを成功させ、

フォアボールで2度出塁すると足でかきまわす。守備でも冷静。

【キラリ】

池野文也(千葉県)…4番打者だが、今回は走塁で貢献。

次打者のエンドランが2回あって、ゴロの間に一気に3塁へ→得点。

もう1回は長打となったが、一気にホームへ→得点。

両チーム走塁がカギとなったが、彼の好走塁はこの試合を象徴している。

藤田峰雄(神奈川県)…先頭打者として実に3度の出塁。

特に初回、先発・藤原選手のストレートをはじき返し出鼻をくじいて、

その回にサードへスチールも成功させる。これが先制点につながる。

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準決勝にコマをすすめ、この日も「野球ができる(しかも2試合)」ことになった両チーム。

朝早くから小高い丘の上(山の中?)のスタジアムに集結する。

4つの球場を一度に使用しているが、もしかすると一番設備が簡素かもしれないのが

ここ鳴門市営球場。本部とおぼしきプレハブが1つと仮設トイレが数基。

ダグアウトとわりに立派な駐車場がある他はなんにもない、木陰さえもない、ものすごく過酷な環境である。

この無機質な場所で、まさに今大会の大一番が始まろうとしていた。

神奈川県は前回千葉県に敗北。この日はなんとしても雪辱をはらさん、と、

前日の新潟戦からもう「このゲームのために」というモチベーションで戦っていた。

対する千葉は本大会でも優勝候補。関東ばかりが勝ち上がった大会で、

さらにその中でNO.1を示すべく、神奈川県を返り討ちにするつもり(だろうと思う…)で臨む。


初回から1点への執着を両チーム見せつけてくる。

先攻の千葉県はいきなり源(巧)選手が出塁。

追い込まれながらも3球目、やや高く入ったボールをはじきかえす。

すかさずバント。先発・勝又選手は焦ってしまい捕球にもたついてオールセーフ。

もちろんバント。3番・たぶんチーム監督の山崎選手がうまく転がし、1死23塁で主砲へつなぐ。

その初球がまさかのスクイズ!しかしファールとなり失敗。

ヒッティングに切り替えたが外野フライが浅くランナー動けず(そしてセンター中里選手の好返球もある)。

後続も断たれ、先制点を逃す。


後攻の神奈川県もやはり藤田選手がいきなり出塁。

こちらも早めに追い込まれたのだが粘って6球目、これもいいボールだったのだが、

うまくはじき返して強いゴロがセンターへ達した。

続く和田選手はバント…から切り替えてヒッティング。結局内野ゴロでランナーは2塁へ。

加藤選手の打席、初球だった。見ていた私も油断していたが、バッテリーもまた意表を突かれた。

藤田選手が3塁へ疾走。もう彼の足を止めるのはたぶん不可能だろう。

次のボールをこれまたまさかのスクイズ!これをきっちり成功させて、

リベンジに向けて幸先のいい1点が神奈川県に入った。

神奈川県はさらに4番岩田選手がフォアボールで出塁。そしてやはり自身も盗塁。

長打が期待できる遠藤選手もフルスイングで挑むが、高めやや甘いボールに

少しタイミングがずれたか、惜しくもレフトフライで1点止まりとなる。


たぶん、この調子で書いていくと記事2つ分になりそうなのだが、

1イニングも省けなさそうなくらいの息の抜けない試合である。


2回は両チームとも投手は(たぶん力んで)コントロールが定まらず、

野手もエラーが出てしまい、塁上にがんがんランナーが増える。

千葉県はエラーから2人ランナーを出すと1死からバント。

2死満塁まで迫るが、打者若月選手の所、2?1からの4球目がおしくもはずれ、平行カウント。

ここで、捕手・加藤選手が何やらアンパイアにアピールしている。

?????

話している内容からすると、どうもセカンドランナーがまぎらわしい動きをしていて、

サインなり投球コース(ミットの位置)なりを伝達しているのではないか、という抗議なのだろうと思う。

この熱くなりそうなゲームの中で、冷静な観察力だった。この回千葉県は無得点に終わる。

一方の神奈川県も1死23塁のチャンスを作るが、千葉県は極端な前進守備…というよりも

もはやスクイズシフト。ところが、その中でも中里選手にスクイズを命じる。相手に合わせる気はさらさらない。

惜しくもファールとなり、追加点が欲しいところでチャンスを逸してしまう。


3回は神奈川県のペース。表をノーヒットで抑え(落球はあった)、

そのウラ、先頭の加藤選手がヒットで出塁。

バッテリーはかなりランナーを警戒。にもかかわらず、堂々とリードをとった加藤選手は結局スチール。

岩田選手はフォアボールを選ぶが、その時にも3盗。

続く遠藤選手の打席でまた岩田選手がスチール。ファーストゴロの処理の間に、

スキがあったのか、加藤選手が一気にホームへ突っ込み貴重な追加点を奪う。

新潟戦同様、ボーッとしていると神奈川県の走塁の餌食になってしまう。この回がまさにその象徴だった。


この試合はもう、神奈川県ペース。しかし、千葉県ももちろん黙ってはいなかった。


(やっぱり長いのであまり間を置かず次回へ。)

Oct 16, 2010

ソフト!

ポスト @ 23:41:21 | その他

ここ2ヶ月、やたらと軟式野球についての記事が集中しているが、

これはコラム当初から触れておきたいことだったのだ。

そういえばちょうど今、ここ徳島県ではソフトテニスの全国大会が行われている。

それには筆者の都合がつかず取材は行わないが、見ておきたかったな。

というわけで、「軟式」がテーマである。


「軟式」と言って思い浮かぶのは、もはや野球くらいか。

テニスはもうずいぶん前から「軟式」という用語は使わなくなり、「ソフトテニス」と呼ぶようになったが、

ボールの種類によって競技を分けている点では野球と同様である(※)。

まぁでも、この2競技は同じ「野球」と「テニス」の競技なのだが、やはりどうにも

軟式、もしくはソフトと付く競技の方がマイナーなイメージが強い。

そして、そのことは私が会った数少ない競技者自身も特に否定はしなかった。

ただし、マイナーだから…と卑下も自嘲もしていなかった。


※この他、野球には「準硬式」というカテゴリーもあるが、話がややこしくなるので、

「硬式野球以外」の話とお考えいただければ。


見ている分にはエキサイトしにくい雰囲気は確かにある。

原因はおそらくあの打球音。「ボコッ」というあの音である。

(もっともジャストミートしたり、鋭いストロークを放ったりした時には軽やかな音を発する。)

しかし、野球ではどうなのか知らないが、ソフトテニスの選手が私に教えてくれたことがある。曰く、

「少なくとも私自身は、ソフトテニスの方がスピード感があって好きだし、

ラケットを振り切って強いボールを打つっていう、あの振り切る感触も好きだ。」

やはり、競技者にしか分からない醍醐味というものがあるのだろう。軟式野球にもきっと。

私は競技者ではなくもっぱら見ている側であるが、硬いボールの方(?)にギャラリーが集まるのは、

見る機会が多くなじみがある→二者択一になると競技者が硬い方を選ぶ→

有望な選手が集まる確率が高い→そういう競技を見たい

という図式があるからであって、単に軟らかい方(?)を見る機会がない、というだけのような気がする。

スポーツ観戦が好きな方であれば、軟らかい方もアツくなれると思うのだが。



競技人口で言えば、こちらはソフトテニスがどうなのか知らないが、軟式野球は圧倒的に多いだろう。

(とはいえ、高校だけは硬式野球の方が多いということになるが。大学はどうかなぁ。)

どうしてそうなるのかというと、やっぱり競技への間口が広いからだろう。


ほとんど野球経験のない(私のような)者が、いきなりあの硬いボールが飛んでくるのを

キャッチしたり、投げるボールに相対するのは絶対に怖い。

その点、軟式野球だとまだそういう恐怖は薄らぐはずだし、体への負担も軽い。

テニスはテニススクールが発達していて、私も全くの初心者で短期間通ったことがある。

あと、どのくらい関係があるか分からないが、硬式野球に比べると費用が少しは安い。

特にグローブは硬式用は軟式用の2-3倍はする。

(某ショッピングサイトで検索すると3-4万円台がズラリ。たまに2万円ちょっとのがあると、

「硬式グローブの皮を採用した【軟式最高峰モデル】」で軟式用だった…。)


また野球の話だけになるが、女性が競技をすることについて。

最初は男性のチームに混じって女性が競技をするしかないような状態だった。

今は高校野球も「女子高校野球」というのができてはいるが、参加校の相当少ない競技である。

これはもちろん硬式野球。大学はどうなっているのかあまり知らないが、

大人になって女性が野球で活躍する場があまりない。

今年度から女性のプロ野球が誕生したことで、「プロを目指す」ことも可能になったが、

競技人口はまだまだ少ない。


女性がもっと手軽に野球を…となれば、軟式野球がぴったりだと思うのだが、どうなんだろう?

初心者でも、ソフトボールからの転向でも入りやすいと思う。

ただ、あまり言うとソフトボールの競技関係者に叱られるのかな…?まさか…。


ここ最近観戦した軟式野球がおもしろかったので、

プロ野球とはまた違った「身近な野球」としてもっと流行るといいのになぁ、と思う次第である。

Oct 03, 2010

信念ある采配 ―軟式ボールを追って3―

ポスト @ 18:13:04 | 野球(その他)

9月19日 12:15- atオロナミンC球場


【第44回全国ろうあ者体育大会in徳島 第56回野球競技・2回戦】


神奈川県代表 6 - 1 新潟県代表

【バッテリー】

神奈川県:田巻松、勝又悠樹 - 加藤康志

  新潟県:高崎悟、星淳、…あと忘れた…。たぶん早川勝一 - 早川恭二


【ヒーロー】

田巻松(神奈川県)…5回か6回まで先発投手の役割を果たす(7イニング制)。

どんな場面でも冷静に淡々と投げる姿勢、いつでもストライクをとれる変化球、

そのどちらにも、ピンチをピンチと思わせない頼もしさを感じる。

(個人的にこういうタイプの投手が好きである。)

ストレートのノビもいい。


【キラリ】

江花聖仁(新潟県)…初回に鋭いヒットを放ち、守備でも素晴らしいプレーを見せる。

サードから途中ショートへ。

岩田智久(神奈川県)…メモを一切とらなかったこの試合では、

正直、田巻選手の好投と岩田「監督」の印象ばかりが強く残る。

よく走らせ、自身もよく走る、神奈川県の野球を体現する男である。


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負ければ即終了、明日はどうするの?という状況。勝てば明日も野球ができる。

そういったトーナメントの非情さの中で、神奈川県代表は抽選でシードを得て

今回が初戦の新潟県代表と対戦することになる。

私が生きてきた中で一番暑い9月中旬、選手の体力の消耗は激しいはずだ。

さすがに投手の連投はなく、神奈川県は田巻選手をマウンドに上げた。

が、もともと13人しか登録していないため、野手の顔ぶれはほとんど変わらない。

新潟県は連戦の相手に体力のアドバンテージがあるが、果たして。


先に書いたが、メモを取らないと本当に記憶が断片的になるので、この試合はハイライトで。

打線は1回戦の豪打のイメージから一変、送って走って、堅実な攻撃が光る。

もうクリーンアップも関係なくバント。バントで生きた場合はすかさずスチール。

送球の間にぼんやりしていたらこれまた進塁。

1番から9番まで全員が「次の塁へ!」ということを徹底していたのがよく分かる。

対する新潟県ディフェンスもそれは分かっていただろうと思うが、

スキをつかれてどうにもならない所もあった。

どのイニングか忘れたが、一度は2ランスクイズにもなった。


と、かなりザックリと書いてしまったが、この方針は翌日も変わらなかった。

つまりこれが神奈川県代表の野球ということになるのだろう。


守りではやはり先発、筆者と同世代の田巻選手の好投に尽きる。

勝又選手(若い)が加入するまでは、彼がマウンドによく上がっていたのだそうで、

この日はさすが、と思わせるピッチングだった。

軽く投げているようでノビてくるストレート。

しかし、新潟県代表もそれに果敢についていってはいた。

ここからである。ランナーが出てもそれほどリズムを変えるでもなく、

制球が乱れるわけでもなく、淡々と低めにボールを集めていく様は

これまで強豪神奈川県のマウンドを守りぬいてきた力の証だった。

例えばストレートが外れてもスライダーですぐにストライクを取る。

ストライクを1つ取ることはいつでもできる、そういった状況だった。

ビッグイニングを作ることができなかったこの試合、

打線は先制、追加点、ダメ押し…とじわじわ加点していったが、

それが可能になったのも彼の好投があってこそ。

たしか6回途中だったと思うが、ランナーを出したところで降板。

残念ながら数名しかいなかった3塁側スタンドだが、

それでも大きな拍手で迎えられ、田巻選手は笑顔でそれに応えていた。


結果は6-1で快勝!といえる。

が、実は次の準決勝が大一番なのだそうだ。

選手はもう明日の試合に向けて表情を引き締めていた…。

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